ロード乗りはなぜ坂が好きなのか
好んで峠を登るサイクリストは多い
バイクなら、どんな坂道でも頼もしいエンジンがライダーを峠の頂上まで連れて行ってくれます。
しかし自転車に乗るサイクリストの場合には、バイクの様にエンジンが搭載されているわけではありません。
サイクリストが峠を登ろうとすると、当然ですがサイクリスト自身の足を痛めつけながら登らなければいけません。
想像しただけでも、かなりハードな作業だろうということが分かります。
しかし、それでも峠を上ることが大好きだというサイクリストはたくさんいます。
その多くは軽量でギアチェンジができるなど操作性に優れたロードバイクを使っており、そんなロードバイクを対象としたレースなども世界各国には数多く存在しています。
つまり、峠を上ることを魅力だと感じているサイクリストは、世界中にたくさんいるという事なのでしょう。
ちなみにこのロードバイクは、ロードレースに出場することを目的として開発されたバイクタイプで、決して峠を上るために開発されたものではありません。
バイクでいえば、レーサーレプリカとかスーパースポーツバイクなどのジャンルに分類されるのがロードレースバイクなのです。
坂道を登る魅力とは?
自転車のロードレースに参加すると、起伏のある一般道をサイクリストたちはひたすら進みながらゴールを目指します。
レーサーのことを考えられて計算されている起伏ではなく、一般道についている起伏に対して、サイクリストたちはどう攻めるかという戦略を練らなければいけません。
サイクリストにとっての峠を上る魅力の一つには、こうしたどのような攻め方をするかという面白さがあるのでしょう。
ロードレースはコースや場所によって難易度が異なり、中でも東京オリンピックに使われたロードレースコースは、世界に存在する他のコースと比較しても難易度がかなり高いと評判でした。
また自転車ロードレースで世界的に人気のあるツールドフランスでは、サイクリストたちはレース中にいくつもの山を越えなければいけません。
自身の体力や強み、弱みを把握した上で、どう攻めるかを考えることが坂道を上る魅力なのでしょう。
大きな充実感や達成感を得られることも、サイクリストたちが峠を上る魅力の一つです。
キツイ坂道においては、自分自身との戦いです。
厳しい戦いを乗り越えると、そこにはゴールが待っています。
その時に得られる達成感や充実感は、自分自身に大きな自信をもたらしてくれるだけでなく、それまでの苦労やストレスを吹き飛ばしてくれるほど偉大な感情なのです。
自転車ロードレースの中には、上り坂ばかりのコース設定となっているヒルクライムなるものがあります。
レースなのでサイクリストたちは登りきるだけでは満足せず、いかに早くゴールを目指すかという点も大きなポイントとなるわけですが、ヒルクライムでは平地ほど高速走行できないため比較的安全な走行ができます。
そういう点からも、峠を上ることを好むサイクリストは少なくないのです。