タイヤ

路面状態判別技術「CAIS」実用化へ

安全走行を目指す技術の一つ

タイヤ業界最大手のブリジストンが独自に開発した技術として注目されているのがCAISと呼ばれているセンシング技術です。
様々な活用法が期待されている中で2015年11月には、いよいよ路面状態を判別する技術の実用化に成功しました。
今後も安全性の高い商品開発に役立てるために更なる技術革新が期待されています。

CAISとは

ブリジストンが開発したCAISという技術は、タイヤの摩耗状態を推定するための技術です。
自動車やバイクに付いているタイヤは、車体の中で唯一路面に接することになる部分です。
タイヤから路地面の状態を収集することによってタイヤの状況を把握したり路面の情報を解析することができるようになるのです。

この技術が開発された経緯は、タイヤが摩耗することによって劣化する消耗品だからです。
走行条件によって異なりますが、運転する人が思っていたよりも早く摩耗してタイヤのグリップ力が効かなくなる状況になることも多いのです。
タイヤにとってグリップ力が低下することは死活問題で、安全性を揺るがす大きな問題になりかねません。

本来であれば運転者自身がタイヤの状態をよく確認してから運転するべきですが、毎回確認をしなければいけないという手間がかかってしまうこと、素人では溝の状態を判断するのが難しいという面もあります。
例えば、普段はあまり運転していないためタイヤの摩耗がほとんどない状態だから安心だと思い込んでいる場合でも、経年劣化でタイヤが硬くなっていて溝があったとしても本来のグリップ力を発揮できない場合があります。

このような状況を避けるために開発されたCAISは、タイヤの摩耗状況を運転者にリアルタイムで確認できるようにしています。
タイヤの溝がどのくらい残っているのか、偏って摩耗していないかなどを確認することでタイヤ交換の適切な時期を把握できるようになります。
この他にも様々な用途が期待できますが、今回は路面状態を判断するための実用化に成功しました。

路面状態を7種類に分けて判断

実用化に成功した路面状態の判断は、タイヤのトレッドの振動を基にして冬季の路面状況を判断できる技術になります。
乾燥やシャーベット、圧雪、凍結など冬期間の路面状況は刻々と変化することから、少し前までは問題ないと思っていた場合でも数時間後にはあっという間に悪路へと変化することも少なくありません。
積雪が多い地域では的確に路面状況を判断して走行しなければならないため、今回のシステムが全ての車種に実用化されると確実に安全性が向上すると期待されています。

例えば路面状況を判断することで、状況に応じて凍結防止剤を散布できるようになります。
無駄なく効果的な散布が実現することで、交通事故防止に繋げることができます。